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訪問者様、ありがとうございます。
お持ち帰りを果たしたルルーシュ

Cpは、大学生ルルーシュ×学生ライ。


徒花の遁走曲 ~二人の12ヶ月~
甘い策略、苦い駆け引き…十一 風が行方を追いかけるようなもの



 セキリティシステム付きのマンションへと到着した二人は、暗証番号を入力して開かれた自動ドアの中へと足を進めた。
 ルルーシュのほうは傘を差していたため(それでも相合傘でライに傾けていたため肩は濡れてるものの)特に問題なかったが、頭から雨をシャワーのように浴び続けていたライは、歩く道すら水滴を落として濡れていた。
 四階へと向かうため、エレベーターへと二人乗り込んで、ルルーシュはライを見つめる。
 白い肌に雨を含んだ服や髪が張り付くようにあり、風邪をひかなければいいがと心配に思う反面、そんなことにも気づかず無頓着に待ち続けてるところが、捨てられた動物のように哀れにも思えて、ルルーシュは眉を顰める。

 ライが逃げないとわかってか、繋いだ手は自然と離れてしまった。本心はもう少し掴んでいたかったが、あまり執拗にしすぎるのも離れる要因になるのではないかと思っての判断だった。
 

 遠くに聞こえていた雷鳴が、少しだけ近づいた頃、空の雨はライを連れ出す前よりもざあざあと強くなっていて、湿気を含んだ空気がどこかよどんだ空気に見せるほどに、此処に来るまでの間二人に会話はなく、また周囲も静かであった。


「此処だ。中に入れ」


 ガシャリと無機質な扉が開く音の後で、ルルーシュはノブへと手をかけたまま後ろに立つライへと振り返った。
 なんだか声と共に愛想の一つもなく仏頂面になってしまったのは、前々から気になっていたいや、意識していた子を自分から申し出たとはいえ、自宅へと招くことになったのに今更緊張を覚えたからだった。
 因みに、一度たりとも恋人は招いた事はない。

 ぽたりぽたりと雫を滴らせる前髪から覗いた頼りない輝きを帯びた銀色が、ルルーシュを見上げる。
 そして、部屋へと視線を向けて再びルルーシュを見ると、躊躇いつつも足を中へと踏みいれた。
 ライの後を追いかけるように、ルルーシュが入り扉を閉める。
 当然だが、明りのついてない室内は、薄暗かった。


「着替えはあるのか?」

「はい。一度、駅のコインロッカーに戻れば」

「・・・駅か。此処からはそう遠くはないと思うが、その格好のまま再び出歩かせるわけにはいかないから、しばらく俺の服を代わりに使え。お前には少し大きいと思うがないよりはマシだろ」

「えっ?」


 自宅へと招き挙句服まで貸してくれることに、どうしてと驚きを隠せずにいるライに、ルルーシュは無表情な顔に少しだけ本来の少年らしい表情に、顔を緩めて、今度は優しく言い聞かせるように口にした。


「暖めてやるから、シャワー浴びて来いと提案してるんだ。そのままだと風邪ひくだろ?」
 

 ライの服を乾かす目的もあるのだが、何よりもいつも会うたびに見る薄汚れた格好綺麗にしたいと、男一人暮らしでも家事は欠かせないルルーシュにはほっておけない問題であった。



続く
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2012.06.07 
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