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訪問者様、ありがとうございます。
連載、十三話目

Cpは、大学生ルルーシュ×学生ライです。
徒花の遁走曲 ~二人の12ヶ月~
甘い策略、苦い駆け引き…十三 雨よりもせつなくて



ざあざあと降るのは、篠突く雨。
 どんより覆う黒い雲に、夕方前だというのに景色は暗くなり行く頃、窓際に立っていたルルーシュは外を眺め、シックな紺色のカーテンを閉めきった。
 いつもの整頓された室内を見渡して、ルルーシュはベットに腰掛けた。
 考えていたのは、今シャワーを浴びている野良猫の事だった。

 人間の男子に変わりはないはずなのだが、ただ誰かを待つように雨の中ずぶ濡れたままの姿が、いつもの薄汚れた格好と感情の起伏の少ない表情が。飼い主に捨てられたまたは行き先などなく彷徨う猫に見えてしまったから、気になりうちに拾ってきてしまった。

 同情で片付けるのは簡単だが、理由はそれだけではない。
 あのまま自分以外の別の人間が彼を連れて行ってしまうかもしれないなど、杞憂してしまい思いかけず家に誘ったのは、多少なりとも下心が拭えなかったせいもある。

 ライとは会って数日の言葉を交わす程度の関係ではあったが、それでもルルーシュには疑問が浮かんだ。
 

「俺を信用して、付いて来たのか? それとも」


 組んだ手に顔を預けるようにして考え込んでいた。
 接してみて他人に特に警戒心が強いものと認識はしていたが、あの数日間で距離を縮めたという実感はあまりないままに、家へと招いた見たが、自分から望んで得た結果だとしても、何故逆らうことなく大人しく来てくれたのか、名前を告げるときに見た覚悟を秘めた強い瞳が、印象深くのが余計に気になるのだ。

「ルルーシュ・・・さん」


 薄暗い中で少しだけ高く涼やかでありつつも、か細い声を拾い上げ、ルルーシュは視線を向ける。


「っ・・・!」


 タオルをかけた頭から僅かながらぽたぽたと水滴が滴り、地面に染みを作る。
 雨ではなく濡れた銀色の髪が張り付くのは、西洋人に似た白い肌に張り付いた顔。
 その首筋から鎖骨そしてタオルの隙間に垣間見える薄いピンク色と、なでらかな線を描いた柳腰からカモシカの様な脚線美に、一瞬完璧に作られた人形に見える程に、儚くもストイックさがある意味情欲を?きたてるなどと、感想を抱きなから見惚れてしまったルルーシュは誤魔化すように咳払いをした。


「ああ、着替えを置いてなかったな。俺の服でかまわないか? 少し大きいかもしれないがないよりは」


 立ち上がりクロゼットへと向かいながら、服を見定めしているルルーシュに、後ろから手が回されるままに温もりを感じた。
 

「ライ」

「・・・」


 背後から抱きついてきた細い手、それよりも肌が直接服越しに触れることに、鼓動が高鳴るのは、風呂上りのいい香りが鼻をくすぐったせいもあり落ち着かなくなるのだった。



続く
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2012.05.11 
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